決断力なんてなくていい?良い決断を下すために知りたいこと・オススメ書籍

人生は決断の連続です。

晩御飯は何を食べようか、週末は何をしようかといった小さなものから、

大学受験・就活/転職・結婚など大きいものまで幅広い選択を繰り返して、今の自分が形成されています。

ケンブリッジ大学Barbara Sahakian教授の研究によると、人は1日に最大3万5,000回も決断をしているそうです。

1年で約1,260万回、80年で約10億回にもなります。

私自身、自分に決断力はないほうだと考えていました。

行き当たりばったりに判断して、後から後悔することも多々ありました。

だからこそ、決断とは何か、どうすれば良い決断なのかを勉強しました。

重大な決断をした結果が良いものとなるよう、記事をまとめていますので、ぜひご覧ください。

決断力のある人・ない人の特徴

よく言われる決断力のある人・ない人の特徴としては以下のようなものがあげられます。

・自信がある/ない

・失敗を恐れる/恐れない

・行動が早い/遅い

・頭の回転が早い/遅い

・知識が多い/少ない

・人の意見に流されにくい/流されやすい

などなど…

正直、これらの特徴を言われても、曖昧すぎて、個人的にはあまりピンときません。

自信はあっても、特に何も調べず、判断の根拠が薄いという人も多くいます。

頭の回転が早いと言っても、判断が早ければいい結果を招くとも限りません。

失敗を恐れないというのは、一歩間違えると無謀とも捉えることができます。

「決断」の定義

上記のような特徴を考慮すると、決断力というのは決断の精度とは無関係のもののように扱われているように感じます。

すなわち、この定義では「決断力がある」=「良い決断をできる」とはならないということです。

そのような定義のなかで、決断力を鍛えるといっても、良い結果には繋がらないのではないでしょうか。

迷わず自信満々に素早く決断を下されても、良い決断ができていないのであれば、鍛える意味は薄いかと思います。

そこで、本記事では、「決断」とは「この選択が最善だと判断すること」と定義して、

最善の判断をするための力」を「決断力」として、お話していきたいと思います。

決断力を鍛えるためにすること

決断力を鍛えるには、小さい決断を積み重ねるとか、そういう実践的なアドバイスをよく見かけます。

ですが、実践をする前に一定の知識をしることが第一優先だと思います。

知識のない状態で実践だけすると、悪い型が身についてしまうかもしれません。

闇雲に実践を繰り返すことは非効率のように思われます。

では決断力を鍛えるために事前に知っておきたいこととは何か。私は以下の2点だと考えています。

  1. 決断力を妨げる要因を知る
  2. 決断のためのフレームワークを知る

知っているかどうかの問題です。

逆に言えば、これを押さえれば誰でも決断力は身につけることができると思います。

決断力を妨げる要因を知る

決断力を妨げる要因、それは自分自身です

は?と思う人もいらっしゃるいるかもしれませんが、落ち着いて聞いてください。

決断力や判断力を鍛えたいと考える人は、自分自身に論理的思考力が不足しているということに課題意識を持っている人が多いです。

判断することに必要な情報が何かわかっていない。集めた情報をどう整理し結論づけるかをわかっていない。

そう言ったことに意識が向いてしまっています。

ですが、私がこれまで見てきた限り、良い決断を下せていないと思う人は、論理的思考力を発揮する以前に、

自分が今決断を下さなければいけない状況だと認識し、落ち着いて考えるということすら出来ていません。

・失礼な態度で接せられているように感じてむかつく

・相手の発言が自分にとって不利益を被る内容だった

などでつい感情的になり、冷静さを欠いてしまうこともあります。

すると、その場で反射的に思ったことを口に出したり、後になって急に決断をひっくり返したりして周りを騒がせます。

ひどい人は、「俺はそんなこと言っていない」と自分の言ったことすら忘れていたりします。

(都合悪くならないように忘れたフリをしているだけかもしれませんが。)

これは、オーナー社長など、自分の言うことに周囲が従い、誰も反論したり苦言を刺してくれない環境に囲まれる人に特に多いかもしれません。

自分はそんなことしてない」そう思いますか?

そう思う人はむしろ要注意かもしれません

なぜなら後述するように、自分は正しいと守ろうとする防衛本能も、より良い決断を下すためには邪魔になる可能性があるからです。

決断力を妨げる要因は、自分自身すなわち、人類が長い歴史の中で培ってきた「人間の本能です。

本能なので、誰もが咄嗟に反応してしまうものでもあります。

ですが、知っておけば、その反応が出ることを想定して備えておくことが可能です。

『CLEAR THINKING(クリア・シンキング)』の著者シェーン・バリッシュは、本書の中でこの本能を4つの「デフォルト」として定義しました。

・感情デフォルト:感情を優先して、事実・根拠を見ようとしない。

・エゴデフォルト:自尊心を守ろうとし、自らの立場を脅かすものに攻撃的になる

・社会性デフォルト:社会的な慣行に従う。あるいは、周囲の目を気にし過ぎる。(上司・先輩の目が怖いなど)

・惰性デフォルト:前例主義。以前はこうだったと考えることを放棄する。

詳しくは書籍をご確認いただきたいですが、簡単に表すとこんなところでしょうか。

自分の感情を無視しろ、社会慣行に従うな、そういうことを申し上げるつもりはありません。

ただ、自分が決断を下そう、何か発言・アクションをしようとする際に、上記のいずれかに該当しているかどうかを認識することが重要です。

認識したうえで、それが正しい行動・決断と考えるのであれば大丈夫です。

決断のフレームワークを知る

決断力とは「最善の判断をするための力」と定義しました。

置かれた状況で最善の結果を出すための能力、これは世間で言われる「問題解決力」と同じだと私は考えます。

なので、問題解決のフレームワークを活用します。

  1. 問題を定義する
  2. より多くの解決策を出す
  3. 解決策を評価する
  4. 最適な解決策を選択(決断)し、実行する

この4つの中で1番重要なのは「1. 問題を定義する」です。

正しくない・最善でない問題の解決に取り組んでも、良い結果は生まれません。コスパは悪いです。

必死に働いても大して成果は出ず、状況は一向に改善されないでしょう。こういうリーダーの下では周囲は疲弊していきます。

リーダーとして組織を率いて、成果を出すには、「問題を定義する」能力が欠かせません。逆に、解決自体は周囲に任せてみてしまってもいいかもしれません。正しい問題を解けているのであれば、大筋で変な方向に行くことは少ないはずです。

私たちは、与えられた問題を解くことには慣れていますが、問題を考え出すことは苦手としています。

では、問題とは何か。問題とは「理想と現実のギャップ」のことです。

問題を定義するためには、「理想(望ましい状態)」がどのようなものであるかを鮮明にイメージ・具体化することと、主観を排して客観的に「現実」を見つめるて、理想との差を把握できる必要があります。

決断力を高めるための参考図書

より具体的に決断力を鍛えたいと思った人には、以下の書籍がオススメです。

感情や自尊心など、合理的な決断を妨げる要因を如何に排除して、正しい選択を下すのか。

周囲と良好な関係を築きながら、自分の人生を好転させていきたい人にオススメの1冊。

書籍名CLEAR THINKING(クリア・シンキング) 大事なところで間違えない「決める」ための戦略的思考法
著者シェーン・パリッシ
出版社日経BP
出版日2024年2月15日
こんなときにデフォルト反応/決断力について深く理解しりたい、
キーワード戦略思考,決断力,
ページ数312ページ

学生の頃に読んで、衝撃を受けた1冊。

問題解決で重要なのは、解決策ではなく、「何を解くか(イシュー)」であることを教えてくれたのは本書です。

最善の結果を最短で出せるようになりたいと考えている人にはぜひ読んでほしいです。

書籍名イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」
著者安宅和人
出版社英治出版
出版日2010年11月24日
こんなときに問題の設定方法・解決法を詳しく学びたい。効率的
キーワード戦略思考、問題解決
ページ数248ページ

まとめ

決断とは何か、何が良い決断を妨げるか、決断をする上で何を考えたらいいか。

これらを知り、誤った判断をすることを減らせれば、どんどん人生は好転していくと思います。

どれだけAIなどの情報テクノロジーが発展しても、最後の決断というのは人間にしかできない能力です。

激動する社会を生き抜くためにも、決断力を磨いて、己を高めていきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。